金澤さんに、”オジンの旅とロマン” を再開してもらう。
「南アフリカ経由でケニアの首都ナイロビに行きました。
野生のライオンを見ようとキリマンジャロの麓にあるアンボセリ国立公園で数日間過ごしたのですが、偶然ライオンがシマウマを襲い、ムシャムシャ食べるのを目撃、自然界の厳しさを垣間見る思いがしました。」
これはすごい。
テレビで見たことはあるけど、目の前でこの光景を見たら、しばらくショックでおかしくなりそうだ。
「ヨーロッパでは約二十日間、ユーロレイルパスを使い鉄道での旅でしたが、どこへ行っても日本人観光客の多いのにはビックリしました。
最後はパリからモスクワ経由で帰国したのですが、いろいろな国を訪れ、いろいろな人たちと言葉を交わしてみると皆とても優しく親切、よく聞く盗難や恐怖物語など私には無縁な話でした。一人旅の寂しさも十分味わうことができ、振り返ってみて、嫌な思い出もなく楽しいことばかりでした。
バスの中で知り合い、一日中リマ市内を案内してくれたマルコという名のおじさん、土砂降りの雨の中、びしょ濡れになって一生懸命安いホテルを探してくれたバルセロナのタクシーの運転手さん・・・・・今も元気でやってるかなと思う時、同じ地球に住む人間同士、国境を越えて仲良くやっていきたいものだと思うこの頃です。」
こうして、金澤さんは話し終えた。
”オジンの旅とロマン” 34年前、こんなことをしていたなんて。
「またやりたいと思いますか?」と聞いた。
「いや、全然思いません」という答えが返ってきたのは、意外だった。