「でも一番感謝しなくちゃいけない人は直ちゃんね。じゃあ乾杯!」
*直ちゃんは金澤さんの奥さん
吉見さんの音頭によって、34年の時を経た二度目のセレモニーが始まった。
小太郎も、仲間に入ってきている。
こうしてこの日は、おいしいブランデーを飲みながら、みんなで心を34年前の機内に飛ばした。
そして再び、金澤さんは話し始めた。
「一人旅(特に海外旅行)の面白い所は、誰にも気を使わずに自分の好きな事ができる事ですが、その反面相談相手はなく、頼れるのは自分自身だけです。
私にも夢にまで見た六十五日間の世界一周旅行のチャンスが訪れました。
計画当初から体力の増進と英会話の取得を心がけ、毎朝五時半に起き約三キロのジョギングを開始しました。慣れてしまえば走ること自体はどうということはなく、それよりも起きるということが一番の問題で、特に冬の期間は苦痛でした。」
ブランデーで心地良い気分になってきた。
だいぶ長い時間お邪魔してしまったので、今日はこのへんでお開きとなった。
小太郎バイバイ!
話はまた次に。
続く