計量後、そのままミニバスで試合会場に連れて行かれる。試合は明日だから、会場は遠いんだろう。どこなのか見当もつかない。おまけに誰と何回戦を戦うのかもはっきりしない。でもなるようになるしかない。
車に乗っているのは好きだから苦にならない。試合の恐怖、緊張から気も紛れる。何時間かかってもいい。むしろすぐ着いてほしくない。できればずっと着いてほしくない。できれば逃げたい。
バスはタイの田舎を走り続けた。どんどん移り変わる南国の風景。ずっと見ていたいと思った。その期待に答えてくれてなかなか着かない。もうこのまま一生辿りつかないでほしかった。たまに試合があるという現実に帰るとスーっと血の気が引いた。途中度々休憩や食事で停まるのは気分転換になり良かった。夜になってもまだまだ走り続ける。
夜もだいぶ遅くなり、うとうとしてた深夜にバンガローのようなホテルへ到着した。周りは街灯もなく真っ暗。あまりにも眠くて、フラフラ部屋へ入りそのままベッドに倒れこんだ。なんだか異様に疲れてた。
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